バングラデシュの会計年度は毎年7月1日から翌年6月30日で、毎年度の国家予算とその収入根拠の一部となる税収の算出にあたり、例年6月の初旬に根拠となった重要な税制改正が公表されます(通常7月1日施行)。
今回は2024/2025年度の国家予算の公表と同時に公表された税制改正について概説します。実効的な内部監査は現地国の商慣習から会計・税務・法令・監査実務の概括的な理解は欠かせません。バングラデシュにおける内部監査の実施にあたり参考になれば幸いです。
全体:
今年度も、IT産業振興を軸とする「スマートバングラデシュ」構想や、外国投資促進の大方針を持ち、投資促進のために各種の税制改正・インセンティブ制度を継続する一方、各種の富裕層への課税強化を通じて税収増への取り組みの姿勢も見られる改正内容でした。以下、主要な変更点を記述致します。
所得税関連の主な改正:
<個人・法人所得税関連>
従前個人所得税の最高税率は25%(165万タカ以上)でしたが課税所得30%(3百万タカ以上)に引き上げられました。
各納税主体ごとにキャピタルゲイン税率が以下の通り引き上げられました。
個人:譲渡益の5%→15%に引き上げ
法人・ファーム:10%→15%に引き上げ
信託・ファンド:15%又は累進税率であったが、一律15%に
・非上場企業:税率が27.5%から25%に引き下げ。
・ 一人有限責任会社 (OPC): 一人会社の税率を22.5%から20%に引き下げ
その他コンプライアンス
従前資産額(Gross asset)が500万タカを超える個人について、資産、負債、ライフスタイルの詳細を申告する必要がありましたが、改正により資産額が400万タカを超える個人に提出義務が課されることになり、対象者が増えることになりました。
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